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黒四ダムから本流を下る 4 [黒部川釣行記]



 先に5年目の挑戦と書いたが、私の目的の場所は、人を寄せ付けな
い残雪の障害が真夏以外は通年有る場所であるという事と、自分の休
日との関係で8月の中旬、唯一1年に一度しか行けない場所であった。

そこは、北アルプス・黒部川本流・下ノ廊下、本流右岸に合流する餓
鬼谷と棒小屋沢との中間点、仙人ダムの少し上流に流れ込む「東谷」
である。

この沢に、虎視眈々とイワナ釣りの狙いを付けたのには訳けが有った。
それはある人物との出会いが発端だった。

当時私はテンカラ釣りに夢中になっていた。テンカラ釣りは、弾力の
ある竿と自分で捲いた毛バリで釣る古来からの職漁師が用いていた釣
法である。



takibi01.jpg 
焚き火でイワナを焼く



 ある時、たまたま目にした釣りの本で、北アルプスを本拠地に嘗て
イワナ釣りの職漁師だったS氏の存在を知った。それには、山の様子、
山での生活、毛バリ釣りの道具、釣り方、イワナの保存方法などが
写真入りで詳述されていた。

実際に釣りを生活の糧としていた人の生き様、その内容には迫力があ
った。それは、当時毛バリ釣りにのめり込んでいた私を捕えて離さな
かったのである。

果して、プロの「テンカラ釣り」とはどんなものなのか、もっと具体的に知
りたくなった。

自分は、一度思い立つと矢も盾も堪らずに行動する癖があって、直接
会ってみたくなり、即実行に移して厚かましくも訪ねてしまったのである。



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